基礎知識

ビル風が起きる原理と脅威!台風時に被害を甚大化させる恐れも!

「ビル風」とは?

周辺の建物や木々などより際立って高い建物が建設されると、その建物の周辺では風が強くなったり乱れたりするようになります。このような強風および乱流現象を一般的に「ビル風」と呼んでいます。

ビル風って言うと、素人的には東京都心などの高層ビル街をイメージしがちですが、実はそうとも限らないのです。4〜9階の中層ビルや3階以下の低層の建物に起因して発生することもあるんです。

そうは言っても、周辺の建物や樹木に対して相対的に高く、高い部分の規模が大きい建物ほど強いビル風が起こる頻度は高まると言われています。

日本では、1970年代に霞ヶ関ビルや世界貿易センタービルなどの超高層ビルが相次ぎ建設された頃に社会問題化されるようになってきました。

「ビル風」が起こる原理とは?

風の通り道に建物が現れると、風は通り抜けられないため建物の手前で上下左右に向きを変えます。そして、建物の角を通り過ぎた時に、まっすぐに吹いてきた風とぶつかり、合わさって風速が増すのです。こうして建物の側面に強風が発生します。これがビル風の正体だと言われています。

また、風がビルに衝突するとビルの正面に圧力の高い空気の塊ができ、その圧力は建物の上部だけでなく低層部まで均等にいきわたり、建物の前面の3辺(左右の角、建物の軒)から強い風を吹き出すという説明もできます。この時、特に地上付近の左右の角では、圧力エネルギーが速度エネルギーに変換されてかなり強い風が吹きだします。

ビル風は、専門的にはさまざまなタイプに分類されるようですが、ここでは上記のような最も典型的なタイプのみに留めておきます。

ただ、素人の私でも理解できることは、ビルという障害物が存在することにより、風がその障害物をよけて曲がりながら通り抜け、互いにぶつかり合って風速を高めたり風の流れを乱れさせるということにつながっているのです。

ビル風が台風の災害を甚大化させる恐れ

2020年9月、台風9号と10号が相次いで韓国・釜山を襲いました。釜山大学の調査結果によると、建物一帯の平均風速が秒速40mのときに、101階の高層ビル付近では秒速60mに達したそうです。

つまり、台風による強風がビル風によってさらに風速を高め、40m/sが1.5倍の60m/sへと速度を増したというのです。

今後、もし大型の台風が都心を直撃した際には、同様のケースが想定され、台風がビルによって風速を高めて被害を甚大化するリスクがあるのではないでしょうか?

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