基礎知識

噴火警報とは?噴火警戒レベルの5段階とは?

防災の基礎知識

噴火警報とは?

気象庁は、火山災害軽減のため、全国111の活火山を対象として、観測・監視・評価の結果に基づき「噴火警報」を発表しています。

噴火警報は、火山噴火に伴って、生命に危険を及ぼす火山現象(大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流等、発生から短時間で火口周辺や居住地域に到達し、避難までの時間的猶予がほとんどない現象)の発生が予想される場合に、「警戒が必要な範囲」(生命に危険を及ぼす範囲)を明示して発表されます。

なお、「警戒が必要な範囲」が居住地域にまで及ぶ場合に発表する「噴火警報(居住地域)」を特別警報と位置づけています。また、噴火警戒レベルを運用している火山では、噴火警戒レベルを付して発表されます。

噴火警報が対象としている主な火山現象

大きな噴石

噴火によって火口から吹き飛ばされた概ね20〜30cm以上の大きな噴石は、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散します。破壊力があり、人体や建物に被害を及ぼします。

火砕流

高温の火砕流(火山灰、軽石等)と高温のガスが一体となって猛スピードで山腹を駆け下りる現象です。温度数百度、最大時速100km以上にも達し、その通過域では焼失・破壊など壊滅的な被害が生じます。

融雪型火山泥流

噴火に伴う火砕流等の熱によって積雪が融け、大量の水と土砂が一体となって高速で流れ下る現象です。時速60kmを超えることもあり、積雪の状況によっては谷筋や沢沿いをはるか遠方まで一気に流下し、通過域では壊滅的な被害が生じます

噴火警戒レベルの5段階とは?

気象庁によって発表される「噴火警戒レベル」は5段階に分かれています。各レベルには「警戒が必要な範囲」を踏まえて、防災行動が5段階のキーワード[避難、高齢者等避難、入山規制、火口周辺規制、活火山であることに留意]で表示されています。

[レベル5]避難

  • 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態にある
  • 住民等は危険な居住地域からの避難等が必要(状況に応じて対象地域や方法等を判断)

[レベル4]高齢者等避難

  • 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される(可能性が高まっている)
  • 警戒が必要な居住地域での高齢者等の要配慮者の避難、住民の避難の準備等が必要(状況に応じて対象地域を判断)

[レベル3]入山規制

  • 居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される
  • 住民は通常の生活(今後の火山活動の推移に注意、入山規制)。ただし、状況に応じて高齢者等の要配慮者の避難準備等。
  • 登山者・入山者に対しては、登山禁止・入山禁止等、危険な地域への立入規制等(状況に応じて規制範囲を判断)。

[レベル2]火口周辺規制

  • 火口周辺に影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される
  • 住民は通常の生活。(状況に応じて火山活動に関する情報収集、避難手順の確認、防災訓練への参加等)。
  • 登山者・入山者に対しては、火口周辺への立入規制等(状況に応じて火口周辺の規制範囲を判断)

[レベル1]活火山であることに留意

  • 火山活動は静穏。火山活動の状態によって、火口内で火山灰の噴出等が見られる(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)。
  • 住民は通常の生活。(状況に応じて火山活動に関する情報収集、避難手順の確認、防災訓練への参加等)。
  • 登山者・入山者に対して特に規制はなし(状況に応じて火口内への立入規制等)。

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