日本における活火山の監視体制は?
我が国には111の活火山があります。気象庁では、気象庁本庁(東京)・札幌・仙台・福岡の各管区気象台に設置された「火山監視・警報センター」において、これらの活火山の火山活動を監視しています。
111の活火山のうち、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会によって選定された50火山(常時観測火山)については、噴火の前兆を捉えて噴火警報等を適確に発表するために、地震計、傾斜計、空振計、GNSS観測装置、監視カメラ等の火山観測施設を整備し、関係機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)からのデータ提供も受け、火山活動を24時間体制で常時観測・監視しています。
また、各センターの「火山機動観測班」が、その他の火山も含めて現地に出向いて計画的に機動観測を行っており、火山活動に高まりが見られた場合には、必要に応じて現象をより詳細に把握するために機動的に観測体制を強化しています。
全国111の活火山について、これらの観測・監視の成果を用いて火山活動の評価を行い、居住地域や火口周辺に危険を及ぼすような噴火の発生や拡大が予想された場合には「警戒が必要な範囲」(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)を明示して噴火警報を発表しています。
常時観測火山とは?
日本にある111の活火山のうち、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山噴火予知連絡会が選定した50火山のことで、この常時観測火山については噴火の前兆を捉えて警報等を発表するため、気象庁が地震計・傾斜計・空振計・GNSS観測装置などを設置し、24時間体制で常時観測・監視しています。
50の常時観測火山は、以下のように分類されています。
[1]近年、噴火活動を繰り返している火山
雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、秋田駒ヶ岳、吾妻山、那須岳、草津白根山、浅間山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、伊豆大島、三宅島、硫黄島、阿蘇山、霧島山、桜島、薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪之瀬島
[2]過去100年程度以内に火山活動の高まりが認められている火山
アトサヌプリ、大雪山、恵山、八甲田山、十和田、岩手山、栗駒山、蔵王山、安達太良山、磐梯山、日光白根山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、白山、箱根山、伊豆東部火山群、新島、神津島、八丈島、鶴見岳・伽藍岳、九重山
[3]現在異常はみられないが過去の噴火履歴等からみて噴火の可能性が考えられる
岩木山、鳥海山、富士山、雲仙岳
[4]予測困難な突発的な小噴火の発生時に火口付近で被害が生じる可能性が考えられる
倶多楽、青ヶ島