基礎知識

避難所と避難場所!何が違うの?分かりにくい言葉の改善を!

避難所と避難場所の違いは?

避難所と避難場所。一文字違うだけで意味合いがかなり異なるということをご存知でしたか?その違いを端的に言うと、『避難場所は津波や大規模火災などの災害から身を守るために一時的に避難する場所』で、『避難所は災害によって自宅での生活が困難になった人が一時的に生活をする場所』です。

避難場所と避難所は、異なる場所が指定されている場合や同一の施設が指定されている場合があります。周囲に海や河川、危ない崖などがない学校や公民館は、避難場所兼避難所として使われることが多いようです。一方、海岸沿いにある津波避難タワーは避難場所ですが、避難生活をするには適していませんので、災害が去ったら近くの避難所に移動することになります。

避難場所と避難所は、かつては厳密には区別されていませんでした。しかし、2011年の東日本大震災で避難場所ではなく避難所に逃げて津波に飲み込まれる被害が多発したため、その教訓や反省から明確に区別して使われるようになりました。

ところで、避難場所には災害の種類によって相応しい場所は異なってきます。大地震の避難場所なら、津波を避ける高台や火災を避ける広い場所が適していますし、台風や豪雨災害の避難場所なら、土砂災害や浸水リスクの少ない場所が適しているのです。

もっと良い言葉はないものか?

そもそも、こんな一文字違いの言葉を使い分ける意味があるのか?個人的には疑問に思います。そして、よくよく調べてみると「避難場所」という言葉は「広域避難場所」という言葉も併用されるように、大火災を想定して延焼しても身の安全が確保できるような公園・広場・緑地・学校などが指定されていることが多いのです。これは、都心部での特徴かもしれません。江戸時代には何度も大きな火事で江戸の町が焼け野原になることが繰り返されてきたから、その頃からの発想として延焼が防げる空白地帯を避難すべき場所と考えていたからではないでしょうか?

一方で、「避難所」は火事で家が焼失したり地震で家が倒壊したり洪水で家が流されたり・・・という住宅の被害により自宅での生活が困難になった人が滞在する場所です。しかし、大型台風が近付いてきた、河川が決壊するかもしれない・・・という状況で一時避難する場合、それは避難場所か避難所か?という点は疑問ですよね。おそらく、公園や広場のようにいつでもオープンスペースとなっている場所とは違って、自治体が小学校の体育館や公民館などを指定して開放することになると、それは一時的ではあっても「避難所」という位置づけになると思います。

そう考えると、「避難場所」という言葉が生まれた大火事だけを想定していた時とは違い、今では地震、火事、台風・豪雨・洪水などの水害と自然災害の形態はさまざまで、それに応じて避難の対応もさまざまなので、単に「避難所」とか「避難場所」というだけでは、いざという時に混乱が生じていまうのではないかと危惧します。

例えば、「災害時避難スペース」とか「一時避難用屋外スペース」「災害時の滞在型避難スペース」など、解りやすい言葉で示す必要があるのではないでしょうか。

さらに、今の避難所は地震・洪水・火事などのあらゆる災害に万能とは限らないはずです。洪水で浸水する可能性のある避難所、大火事で延焼する可能性のある避難所などが実際に存在するからです。つまり、自治体が予め指定している避難所であっても、洪水の時は安全でも大規模火災の時は安全性が確保できないなど、災害の種類に応じた避難所の指定が必要だと思います。

避難所・避難場所という言葉は、災害時のいざという時に、被災した住民が迷わずに避難できる場所を示す言葉でなくてはならないはずです。

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