行動

線状降水帯の予測や氾濫危険情報が出たらどうする?安全確保の行動とは?

気象庁による線状降水帯の呼びかけとは?

「顕著な大雨に関する気象情報」の発表基準を満たすような線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、気象庁は半日程度前から、気象情報において「線状降水帯」というキーワードを使って呼びかけを行うことになりました。この呼びかけは、警戒レベル相当情報を補足する解説情報として発表されます。

あなたがお住まいの地域で、このような情報が出されたらどのような行動をとるべきでしょうか?

この呼びかけだけで即座に避難行動をとるのではなく、まずは地元市町村が発令する避難情報や大雨警報やキキクル(危険度分布)等の防災気象情報などと照らし合わせたうえで、自ら避難の判断をすることが重要です。そして、避難する場合を想定して、ハザードマップや避難所・避難経路の確認等を行ってください。

<注意事項>

  • 線状降水帯による大雨の正確な予測は難しく、この呼びかけを行っても必ずしも線状降水帯が発生するわけではありませんが、線状降水帯が発生しなくても大雨となる可能性が高い状況といえます。
  • 線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけがあったときも、地元市町村が発令する避難情報や大雨警報やキキクル(危険度分布)等の防災気象情報と併せて活用し、自ら避難の判断をすることが重要です。
  • 線状降水帯だけが大雨災害を引き起こす現象ではないことから、線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけがなくても大雨による災害のおそれがあるときは、気象情報や早期注意情報、災害発生の危険が迫っているときは大雨警報やキキクル(危険度分布)等の警戒レベル相当情報など、防災気象情報全体を適切に活用することが重要です。

避難する際の重要ポイント

1. 声をかけあって避難

毎年のように発生する大雨の災害では、高齢者や障害者など自力での避難が難しい人たちが多く犠牲になっています。事態が悪化する前から近所の人に声をかけたり、離れて暮らす家族に電話をかけたりすることで、早めの避難につながります。

2. 周囲の状況が悪化していたら?

周囲の状況が悪化してしまっていたら、できるだけ安全に避難する方法を検討してください。例えば、道路が冠水している場合は足元が確認できず避難するのは危険です。転倒して思わぬけがをしたり、側溝などにはまって流されたりする危険性もあります。

冠水した道路を通ることは避け、どうしても通らなければならない場合は2人以上で行動し、傘や長い棒などで足元を確認するようにしましょう。

3. 車での避難は危険

車での避難も危険があります。一般的に浸水の深さが10センチになるとブレーキが効きにくくなり、30センチに達するとエンジンが止まるおそれがあります。さらに水の深さが増すとドアが開けにくくなって、50センチを超えると車体ごと流される場合があります。

線路や道路などの下を通るアンダーパスは特に注意が必要です。それほど深く浸水していないように見えても気付かずに入り込むと車が止まってしまい、車外へ逃げることもできず閉じ込められるおそれがあります。乗っていた人が亡くなるケースもたびたび発生しています。

4. 最後の手段は「垂直避難」

災害が切迫し家から出ることすらできないような時は、[1]建物の2階以上へ移動する、[2]崖や斜面の反対側の部屋に移動することで、安全を確保できることもあります。

ただこれはあくまでも最後の手段で、土石流や氾濫した川の水で家ごと流されて犠牲になった人もいます。斜面や川の近くにいる場合には早めの避難を検討し、安全を確保するようにしてください。

5. 落雷や突風も注意

大雨による土砂災害や浸水だけでなく、積乱雲が発達して落雷や竜巻などの突風が発生するおそれもあります。自分のいる地域に「雷注意報」が発表されていないか確認しましょう。そして急に周囲が暗くなる、冷たい風が吹く、雷の音が聞こえる、ひょうが降ってくるなど積乱雲が近づく兆しがある場合は特に注意が必要です。

屋外にいる場合は鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物や車などの乗り物の中に移動して安全を確保してください。

夜間に避難する際の注意点

1. 夜間の移動は危険 周囲の状況を確認

夜間は屋外の見通しが悪く雨音で防災行政無線の音がよく聞こえないなど、周囲の状況を確認しづらく危険です。例えば周りが暗い状態では冠水した道路やマンホール、増水した川の状況を把握するのが難しくなります。こうした状況では避難するとかえって危険な場合があります。

自治体からの避難の情報などをもとに、状況が悪化する前に早めに避難所に移動することも検討してください。

2. 寝室に懐中電灯などを準備

夜間、寝ている間に急に浸水したり、自治体などから避難の情報が発表されることがあります。停電になることも考えられるため、枕元には懐中電灯や携帯・ラジオなどを用意しておくと安心です。

またすぐに避難できるよう、あらかじめ必要な荷物を非常持ち出し袋に入れるなど準備しておきましょう。さらに移動中に手がふさがらないようヘッドライトがあると安心して避難できます。

3. 就寝は安全な場所で

過去の豪雨災害では家の2階に避難していれば助かった可能性があるケースがありました。川や斜面のそばにお住まいの方は、夜は2階以上の安全な場所で寝るようにしましょう。

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